
昨晩のことだ。時々食事を外でとっている私は家の近所の飲み屋のような中華料理屋で晩飯を食べていた。 私の後ろのテーブル席にいる50前後のサラリーマン3人が威勢よく盛り上がっていて彼らの会話は嫌でも耳に入ってくる。 一人は上司で二人はその部下らしい。 話題は退職金のことのようだ。 上司の方が「今のうちの若い社員は可哀想だ。俺が入ったころなんか年功序列で退職金が決まるから予定では2600万だよ」というと部下二人が「そんなにもらえる訳ないでしょー」
上司は「そう!大幅に予定が狂うんだけどね。でも2000万だ。 悪いね、俺だけこんなもらっちゃって」 部下は笑っているが内心おもしろくなかったのだろう。
「うちの嫁の兄貴なんか5年前に定年退職しましたけど3200万って言ってましたよ」
と、上司に返す。
上司は少し驚いて「ええーっ5年前でそんなにもらえる会社あんのか!でもな、でもな」
上司は負けず嫌いなようだ。
「なんか芸能界とかやったら3500万らしいわ、あの業界は不眠不休やからな。 俺らはまだ寝る時間があるだけずっとええわ」
その後もいくらもらえるという話で盛り上がっていた。
先日ある会合に出ることがあってそこに世間の人が誰でも知っているような大企業を定年退職した方が同席された。 かなりのやり手だったらしく今でもいろんな業界に顔が効く、という。 しかしこの方、自分の過去の栄光話が途切れないため次第に皆がやりきれない顔になってしまった。 御年はおそらく70後半か80といったところ。 私は訪問が中心の仕事なのでお客さんによっては高齢者もいた。そうするとたいていその方の人生物語を聞かされるわけで苦労もする。 自分もあの年齢まで生きているとああして昔の自慢話を繰り返すだけになるのだろうか。 たいして自慢出来るものはないのだけれど。
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